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りゅんりゅん亭 カラーレジンキットができるまで ~職人、魂の粘土埋め編~【RCベルグ工場見学レポート その3】

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~ガレージキットの歴史と、ターニングポイント 編~【RCベルグ工場見学レポート その2】に続く3回目では、RCベルグさんに撮影していただいた画像も含め、1ヶ月以上に渡る作業工程をまるごとご紹介させていただきます!!

以下のように 制作された「ダイすきット リペたん」の原型
ダイすきット製作風景レポまとめ 【セーラー服編】
ダイすきット製作風景レポまとめ【スク水編】
これが、工場へ到着するところから 始まります!

原型師さんによって 制作された原型が、工場に送られてくる。
 

まず届いた原型のパーツを 大きさ別・色別に分ける
※画像は他作品の作業の様子です。
 

型を作成する為(左)・量産する為(右)の指示書を作る
画像はリペたんの肌色パーツ用の指示書です。
 

社長 「パーツをどのように振り分けるかなど、ここの組み合わせで価格が変わったりもするので、この指示書を作る作業はとても頭を悩ませます。」
指示書にある「石田ピンク」というのは聞きなれないですが、RCベルグで使われている 独自の色の名前だそうです!
石田さんという方の作品をきっかけに作った色だから・・・と。
他にもりゅんりゅん亭のゲリョスを制作した際に作られた”ゲリョスウルトラブルー”と名づけられた色も、その後もいろいろな場面で使われているとのことで、色の名前には きっかけに作られた作品や、人の名前が使われることも珍しくないようです。
色の名前にも、カラーレジンの歩みが刻み込まれているんですね。

リペたんの髪パーツ用の型
 
全部でリペたんは6個の型に

社長 「ホワイトレジンなどの単色で、10パーツ程度 1/8スケールのキットであれば、1型~2型 がスタンダード。
カラーレジンキットの場合は、色ごとに型を別にする必要があるので、
基本的に 使用する色の数 = 型の最低個数、ということになります。
今回のリペたんは、組み合わせにかなり頭を悩ませましたが、全部で6個の型になりました。
レジンキットの価格は、
・型がいくつになるか
・人が何回流すか(型を使う 手数)
という部分が 大きく関ってきます。
6個の型を使うとしたら、普通のガレキであれば 15,000円くらいが相場ですね。しかも それを流通に乗せるとしたら、そこに取り扱い店舗の%が・・・。
なのでリペたんは・・・遠那さん原型代考えていないでしょう!?」

遠那 「ハイ、今回は 新シリーズを広めたいので・・・。あみあみさんにも ご協力いただけて、原価ギリギリの価格です。」

調色用のレシピ
 
壁にかけられたカラーサンプル

先の指示書にあった「石田ピンク」などの色のレシピです。
○液○gに対して染料を○g入れる・・・といった内容が、各パーツごとに詳細に記されています。
データ化された”色の経験値”(後述)ですね!

指示書を持って 粘土部屋へ。ここで元型が作られます。
 

原型の入った箱がズラリ。棚の右側では、粘土埋めを待っている原型達の箱がこれまたズラリ。
 

社長 「イベント前などの忙しい時期はこの棚から溢れ出ていますね。」

職人さんそれぞれで雰囲気の違う作業机
 
怪獣的な大物を作業している模様
 
「遠心注型」用の丸い型
 
RCベルグのカラーレジンキット「関羽」の作例を製作中

指示書に沿って “粘土埋め”という 元型を作る作業
※画像は他作品の作業の様子です。
 

“粘土埋め”とは、
原型師さんが魂を込めて作った原型を、
職人さんのこだわりと技術と共に 粘土に埋め込む 元型作成の作業!!
これで製品のクオリティが決まると言っても過言ではない、重要な作業!
※以下、RCベルグさんで撮影していただいた リペたんの元型を作る一連の流れです。
 

指示書に沿ってパーツを並べる
 

これもただ、並べている訳ではなく、この時の角度によって、気泡が出来にくくなるなど 仕上がりに差が出る。
職人さんの腕の見せ所 のひとつ。

原型のパーツを粘土に埋めていく
 

ちなみに、1つの型に 1セット分、というきまりはなく、
3体分を 1回で作れるように・・・など、組み合わせは様々です。

やわらかそうな粘土に包まれた リペたんのおみ足
 
ツルツルになめされてゆく粘土が美しい・・・

この粘土への埋め具合・パーツの向きが「どこにパーティングラインができるか」に繋がるので、
それを 目立ちにくい場所・処理しやすい場所に くるように調整する、職人の技。

さらに「これが一体成型!?」というような形状のパーツを実現させているのは、職人の技術。
ちなみに 海外の一部の工場だと(あくまで一部です)、モールドが潰れてしまうような場所に、パーティングラインや湯口(レジンを流し込む口)が作られてしまったり・・・、場合によっては パーツを勝手に分割されてしまったり・・・なんてこともあるそうです。

肌色パーツの粘土埋め完了
 
型の噛み合わせ用の溝を点々と・・・

ちなみに 粘土埋め作業は、1人の職人さんが付きっ切りで ここまでに丸1日かかっています。
1つの型にかける時間は 平均1日~2日。
忙しいときは増員体制で対応することで クオリティを保っているとのこと。

木枠で囲って・・・
 

シリコンを流す
 
シリコンが固まったら・・・

丁寧に粘土を取り除いてゆく
※画像は他作品の作業の様子です。
 

元型の半分、雄型が完成!
 

雄型にもう一度木枠をつけて・・・
 

雌型を作るべくシリコンを流す
 
固まったら・・・

(美味しそう・・・)

くぱぁ
 

パーツを取り除いたら 元型の完成!
 

“色パーツ”用の型(紺、白、桃、緑・・・等バージョンによって色を変える)
 
“白パーツ”用の型
 
“髪パーツ”用の型

他、水鉄砲用の型を合わせて、合計6個の型を 同じように作成します。
これを元に、リペたんを量産してゆくのですね!!

      ~ひとつひとつ量産編~【RCベルグ工場見学レポート その4】につづく。

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