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りゅんりゅん亭 カラーレジンキットができるまで ~ひとつひとつ量産編~【RCベルグ工場見学レポート その4】

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~職人、魂の粘土埋め編~【RCベルグ工場見学レポート その3】に続く4回目。


フィーたん「ガレージキットを”量産”する為の工程を、眼前に茶畑の広がる”RCベルグ 第二工場”からお伝えします~!」

体育館のように広いフロアに機械の駆動音が響いて、工場に来た・・・という感じです!
ここで、パーティングラインなどのパーツの仕上がりを左右するという、職人さんの粘土埋めによって制作された、元型を元に次の工程にすすみます!

作成した元型を複製するための、母型の制作
 

元型(1つ) → 母型(1つ) → 生産型(母型から何個でも作れる)
シリコン型は、50回程度しか使用できないので、それ以上の回数を使用するときは、型を量産する為の”母型”という、型を作るための型をつくります。
(例:100回使いたいのなら 生産型を2つ作る。)
職人さんのまわりにうずたか~く積まれているのは、「遠心注型」用の丸い型。

母型は基本的に何度でも使用できるので、過去に作成したものが大量に保管されています。
型がみっちり詰まった棚が 何本もあり、何個あるのか想像もつきません・・・!

リペたんの武器パーツの母型を発見!
 

歴戦の母型たち
 
りゅんりゅん亭の型も大量に

母型から、必要な数だけ生産型を製作
 

少しお金の話になりますが、
PVCフィギュアとガレージキットの大きな違いの1つに、量産する為の型の素材の違いがあります。
PVCフィギュアは金型で作られるので、型の値段は高いですが、1回作ってしまえば 1000個でも 5000個でも量産できます。すなわち作れば作るほど1個当たりの生産コストが安くなるので、大量に売れるものは、販売価格を抑えることができる。
(※例えば ゲームセンター等のプライズフィギュアを低コストで作ることができるのは、何十万個 と大量に生産する為。)
それに対して、ガレージキットを量産する際に使われるのはシリコン型。
シリコン型には寿命があり、約50回程度しか使用できません。
仮に100回使用するとしたら、元型と生産型1個の計2個の型を使用します。
200回使用するとしたら、元型と生産型3個の計4個・・・と、
100個作っても 1000個作っても 注型費用が変わる程度で生産コストは大きく変わりません。
(コールドキャスト完成品も シリコン型で作られる少数生産品です。)
大量生産される プラモデルや、PVC完成品は 金型で、
少数生産の ガレージキット や キャスト製完成品などは シリコン型で作られます。
リペたんは勿論 少数生産なので、シリコン型。
今回、リペたんは6種類の型があるので、それぞれの型を必要な数 製作します。

出番を待つ生産型たち
 

こちらはカラーレジンキットの命とも言える色をつくる職人さんの部屋。
 


社長 「カラーレジンキットの開発は、本当に大変でした。
まず顔料・染料が売っていないので、それを探すところから始まり、
「退色が激しい」「色ムラができる」などの問題などを、国内生産のクオリティに足るところまでこぎつけるのはとても骨が折れました。
その後も、とにかく”色の経験値”が無いので、新しい色を作る度に苦労がありました。
「ガンダムのコバルトブルー」を出す為に、100本ほどの某社の塗料を濾して濾して濾して・・・やっと思い通りの色に・・・、なんてことも。」

「こんな色にしてください」というお願いをした紙と、それを元に職人さんが作ったカラーサンプル(右の細長い板)
 

“緑”と一言では現せない
 
今までに作ってきた色の一部
 
「りゅんりゅん亭 キリンX用」の文字が

社長 「いかにクオリティを保ちつつ価格を下げることができるのか、今も 試行錯誤中です。
りゅんりゅん亭のもえハンのゲリョスの時などは、型の構成や色の作り方など とても勉強になりました。」

いよいよリペたんを量産します
 

こんな感じの部屋がいくつもあり、それぞれの部屋で職人さんが作業中です。
この部屋ではリペたんの”髪の毛などの 紫色のパーツ”を量産中!

生産型を板とゴムでクランプ
 
キャストのA液とB液を シリコン型に流し入れる

真空脱泡器にかけて脱泡
 
硬化したら慎重に型からはずす
 
リペたんの髪の毛パーツずらり

こちらの部屋では紺色パーツを量産中
 

職人さんそれぞれに作業部屋の雰囲気が違います。
真空脱泡器もいろいろな形があるみたい。

こちらの部屋では肌色パーツを量産中
 

▼肌色パーツ量産の 作業工程ムービー(2分26秒)

単色のガレージキットと、カラーレジンキットの違いは、
色を作る職人さんの存在と、作業量×色数分 という作業量の多さ。
当然ながら作業が増える分、携わる職人さんの数も増えます。
それは 生産にかかるコストが増える、価格が高くなる、ということに繋がります。

量産された大量のパーツ
 

これらは”検品””パーツごとに切り離して袋詰め”の作業にまわされます。
勿論、手作業です。
 

こちらが”パーツごとに切り離して袋詰め”された白パーツ。
「あなた色に染まるピュアホワイトVer.」のパーツですね!
 

緩衝材や、デカール、説明書などと共に箱詰めされて・・・発送準備完了です!!
 

“工場”と聞くと、ガチャコンガチャコン と機械が働いているイメージでしたが、
基本的にすべて手作業。
何万個単位で作られるプラモデルと違い、数十個~数百個単位で少数生産されるガレージキットは、
何人もの職人さん達がたくさんの工程を経て、ひとつひとつ丹念に作られていました。
想像していた以上に このキットは たくさんの人の手を介してできたものなんですね。
カップ麺と手作りお弁当の違いのような、なんだか暖かみすら感じます・・・!
遠那 「もちろん完成品フィギュアも素晴らしいですし、僕も大好きです。
でも、良い物が 手軽に入手できるようになったPVC完成品に対して、
イベント販売が主なガレージキットは配付条件が年々厳しくなり、原型師も手を出しにくい・ユーザーも入手しにくい、また多くの原型師が商業原型へ流れてしまうなど、縮小の一途を辿っています。」

社長 「ワンフェスなどは顕著ですね。企業ブースの盛り上がりに反して ディーラーブースの活気は一昔前とは比べ物にならない。」
遠那 「企業ブース目当てできた人にも、ガレキを楽しんでもらいたい。
ガレージキットだからこその魅力も、より多くの人に知ってもらいたい。
カラーレジンキットが、フィギュアの楽しみの1つとなるように、これからも活動してゆきたいです。」

社長 「カラーレジンキットは、もうひとやま超えられると思うのです。
そのヤマが何なのかは まだ見えていないんですけどね。」

まだまだ進化を続ける カラーレジンキット。
そこには ガレージキットの楽しさを広めたい、という想いが詰まっていたんですね!

少数生産の可能なガレージキットだからこそ、念願叶って 立体化することができたリペたん!
あとは自らの手で リペたんを完成させて、リペたんへの愛を深めてください!
そしてカラーレジンキット・ガレージキットの魅力を感じてください!!

■ 商品名:「ダイすきット リペたん 紺色/ピュアホワイト/桃色/緑色」
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■ 仕様:カラーレジン製組立キット
■ サイズ:ノンスケール 全高約130mm
■ 製造:R.C.ベルグ
■ 原型制作:遠那かんし氏(りゅんりゅん亭)

■ 価格:税込8,900円
■ 発売:イベント・あみあみ限定販売 で発売中!

以上で、カラーレジンキットの生産工程レポートは終了です!
予想以上にアナログな生産工程にあたたかみすら感じました。
仕上げる工程における技術や研究など、たゆまぬ創意不工夫と努力によって、ニーズへの対応、あるいは品質が維持・向上されているんだなと深く感心させていただきました。「自分は初心者だから」と気後れすることなく、ガレキの世界により一層飛び込んでいくぜ!!と背筋が伸びる思いとでもいいましょうか、襟を正してがんばっていこうとおもいます!!
今回のレポートで同じ気持ちになっていただけた方がいらしたら幸いです。

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ダイすきット
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