ホットトイズ10thイベント開催前日、ホットトイズを支えるキーメンバーにインタビューしてきました。リアルで精巧なフィギュアをどんな人たちが生み出しているのか?今後どんな製品をつくるのか?気になる疑問に答えて頂きました!
チーフ造形師:ユリ
ホットトイズのすべてのプロダクトにおいて、
ヘッド造形の最終監修を努めている。
みんな一所懸命ですよ それがホットトイズのいいところだと思います
【電撃ホビーマガジン】
●チーフ造形師・チーフペインターのお2人にお聞きします。一日の作業時間はどのぐらいですか?
ユリ氏(以下ユリ):一日何時間という決まりはないです。基本的に食事と睡眠以外を作業時間としています。
それが大変とも思いませんし、楽しくやっています。
JC・ホン氏(以下JC):作業時間は決めてないですね。
自分はペインティング作業の他にも、工場のコントロールや香港オフィスとの連携の仕事があります。
なので、食べる時と寝る時以外はだいたい仕事してますね。
●お2人とも寝食以外の時間はお仕事されているんですね。
JC:会社には他にもスタッフがいますが、みんな一所懸命ですよ。それがホットトイズのいいところだと思います。
●一つのヘッド完成までにかかる日数はどのぐらいですか?
ユリ:3週間~1ヶ月くらいです。
JC:チーフ造形師であるユリは、とにかく仕事が速いです。2週間ぐらいでほぼ完成に近い形で提出してくる時もあります。それも、ただ仕事が速いだけではなく正確なんです。
JC:ペインティングにかかる時間はモノによっては2・3日かかってしまう事もありますが、平均6~8時間くらいです。
チーフプロダクションディレクター:JC・ホン
チーフプロダクションディレクター・ペインター。
●使用する材料・工具はなにを使っていますか?
ユリ:材料はスーパースカルピーです。
工具は金属性のヘラを自分の手に合わせ加工して使っています。
JC:デビューしてから15年くらい経ちますが、ずっとタミヤさんのエナメルを使っています。
そろそろタミヤさんからなにか売上賞とかもらえないかな(笑)
私達はまちがいなくクオリティを上げ続けます
【クアント】
●今回10周年という節目を迎えたわけですが、ホットトイズが考える新しい10年のビジョンを教えてください。
ホワード氏(以下ホワード):今後、技術・クオリティをもっと上げていき、新しい製品にチャレンジしてつくって行きたいです。
JC:10年後ですか・・・難しい質問です。
今のクオリティが限界なのか、もっと上がるのか正直な所わからない。
ただ、PVCやプラスチックなど色んな素材が発展しているので、私達は常に研究していきたいと思います。
フランク氏(以下フランク):ビジネス的な意味で言うと、常にクオリティをあげる努力を重ねて行きたい。
クオリティのランニングカフと言うのは本当に無限で、どこまでもっていけるか分からないところまで来ています。だから不安半分な所もある。
けれど、私達はまちがいなくクオリティを上げ続けます。
あと純粋な気持ちとしては、単純に良いフィギュアをリリースし続けたい。我々は一ユーザーとして、好きなフィギュアを立体化したいだけなんです。
なので、10年後も自分達が好きなキャラを立体化し続けたいですね。
プロトタイプと量産タイプのギャップを縮めて行きたい
【クアント】
●クオリティをUPさせる上で、今後必要だと思う事はありますか。
KOUJUN氏(以下KOUJUN):プロトタイプと量産タイプのギャップを縮めて行きたいと思っています。
ユリ:人の顔つきの構造などをもっと観察して、より自然でリアルな造形を追及していきたいと思います。
香港オフィスCEO:ホワード・チャン
ホットトイズ創業者であり、ホットトイズグループ最高責任者。
工場のコントロールは難しい
だから、工場のスタッフとは心と心で話し合わないといけないんです
【moeyo.com】
●プロトタイプと量産タイプの差を埋めていきたいとおっしゃっていましたが、工場のスタッフへの
指示・指導はどのように行っているのでしょうか?
JC:工場のスタッフには、自分の仕事に自信を持つように言っています。
工場って小さくて汚いんです。だけど、そこで働く彼らの作るフィギュアは全世界で売れていて、
世界中のお客様を楽しませている。
その事を彼らに伝えます。「おまえたちは出来る。自信を持て」と。
また、指示をするのではなく、まずは彼らに出来るかどうかを尋ねます。そして一緒にアイディアを出し合っていくんです。
他の会社もそうだと思いますが、工場のコントロールは難しい。
だから、彼らとは心と心で話し合わないといけないんです。
フランク氏:ホットトイズは工場のスタッフをチームとして入れ込んでいます。
彼らが頑張ってくれなかったら良い商品はお届けできません。
それはホットトイズのキーポイントですね。
日本オフィスCEO:フランク
現在の株式会社ホットトイズジャパン最高責任者。グローバルなライセンス業務を行うと同時に、プロダクトによってはエグゼクティブプロデューサーも努めている。
それはメーカーとして間違っているかもしれない。でも、それでいいかなとおもっています
【クアント】
●良いものを作るためには、メーカー側がユーザーと意見を交わす事も重要かと思います。
JC:お客様の意見はとても重要です。
まずは新製品を発表した段階で、ネット上やメールでお客様の反応を知る。
そこで得た意見をもとに、改修をしたりクオリティの向上に繋げていきます。
フランク:ぶっちゃけ、お客様の意見を聞きすぎな位聞いていますね。
製品を発表したのに、フィギュアのヘッドの鼻を伸ばしたり、肌の色を調整したり・・・
発売の2、3週間前までやったりするんです。なぜならお客様の意見があるからです。
それはメーカーとして間違っているかもしれない。でも、それでいいかなとおもっています。
ひとつの製品を沢山つくるよりは、色んな製品を作って行きたい
【moeyo.com】
●ユーザーからの再販の希望はどのように取り入れているのでしょうか?
ホワード:再販は基本的に考えていません。
しかし必ず再販をしない訳ではなく、過去に出したものをバージョン変更させたり、眼球可動のギミックを新たに追加すると言うやり方でリリースさせて頂いています。
例えば5年前にリリースした『ランボー』等、過去の作品を今の技術でもう一度造り直そうかという話もあります。ですが、今のプロダクトラインは既に埋まってしまっているのでその中に組み込むのは難しくなっています。
JC:ひとつの製品を沢山つくるよりは、色んな製品を作って行きたいですね。
造形師:KOUUN
2年前よりホットトイズ製品の製作に携わり、「ターミネーター ジョン・コナー」などを手がける。
10周年イベントで、「ホットトイズの製品はちゃんと人が作っているんだぜ」と証明したかった。
フランク:今回の10周年イベントでは「人」をメインにしたかった。
このイベントを通じてお客様にキー・メンバーを紹介する事、要するに
「ホットトイズの製品はロボットや機械が作ってるんじゃなく、ちゃんと人が作っているんだぜ」と証明したかったんです。
お客様にしてみれば、イベントでもらえる私達のサインとかぶっちゃけ興味ないと思いますし、自分でもそう思います。
けれども単純に、私達がお客様にお会いしお礼を言いたかったんです。
なので今回のイベントを開かせて頂きました。
【電撃ホビーマガジン】
●最後に、皆さんが気になっているプラモデル、フィギュア、またはメーカーを教えてください。
ユリ:サイドショウのビックサイズフィギュアに興味があります。
KOUJUN:1/6フィギュアだけが好きですね。(笑)
ホワード:サイドショウの1/4スタチューはディスプレイとしてとても美しく見えますね。
海洋堂のリボルテックシリーズはサイズが小さくとも可動部分が多いので
ユーザーの立場からみてすごく関心しています。
JC:一つはサイドショウのスタチュー。
あと、ワンダーフェスティバルに出ているような美少女フィギュアです。
フランク:自分は大のバッドマン好きなので、バットマン関連の商品を出しているメーカーさんが大好きです!
――― ありがとうございました。
posted by オリオン立川
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