もんぷち。が美少女PVCフィギュアの歴史を変えたと思うフィギュアその①
「こみっくパーティー 高瀬瑞希 夏服版 新造型」(2005年5月頃発売)
まず初めに、今から紹介する3体の説明や解説は、もんぷち。独自の知識や思っていることで構成されております。
必ずしも正しい歴史や事実ではない可能性がありますことはご容赦ください。
ということで、一番最初に「ここから歴史が変わったな」と思ったフィギュアは、自分がブログを本格的に始めた15年ほど前の2005年の5月に発売されたコトブキヤの「こみっくパーティー 高瀬瑞希 夏服版 新造型」(あみあみの商品説明ページ)があげられます。
これの「歴史を変えた」ポイントですが、結論から言うと「脚部をABS(硬い材質の)素材」でつくった(おそらく)初のフィギュアという点です。
今となっては当たり前となったいわゆる「フィギュアの傾き対策」ですが、2000年台前半ころはまだガチャサイズやトレフィサイズがPVCフィギュアの中心で、ようやく1/8のスケールのPVC完成品フィギュアが出始めた時期でした。
なのでそもそも大きなサイズだと「PVC製だと夏の暑さや長年の経年劣化で足がゆがんで傾いてしまう」ということがユーザーはおろか、メーカーさんでも全く認知されておらず、当時の製品は脚部がゆがんで傾いたり、最悪の場合は自壊に近い形で破損してしまうといった事例もありました。
そこの対策としてこの「こみっくパーティー 高瀬瑞希 夏服版 新造型」(当サイトの画像はサーバ移転の際に遺失してしまったので、あみあみの商品説明ページでご確認ください。)は、おそらく業界初となる「脚部をABS素材で作られた」アイテムだったと記憶しています。
この技術の発明により、片足立ちポーズだったにもかかわらず傾かないという、当時としては革命的なアイテムとなりました。
今となってはPVCとABSを組み合わせたフィギュア製造というのは比較的当たり前の技術となっていますが、PVCとABSは収縮率(素材の性質上、金型で成型した際、金型のサイズから9割~8割くらいの大きさに成型物が収縮してしまう現象があります。)が異なるので、その収縮率の差というものがデータ化されていなかった2005年当時にやり遂げたということはすごいの一言です。
その後各メーカーも傾き対策としてABS素材の脚部を起用しはじめ、駆け出すような前傾姿勢や大きくのけぞったポーズなど、よりアクロバティックなポーズの造形が可能となっていきました。
そういう意味では美少女フィギュアの「祖」を築いた作品のひとつといえるかなと思っています。
ちなみに「収縮率合わせるのが難しいなら全身ABSにすればいいじゃない」という疑問が浮かんでくるとは思います。当時自分も思いましたし。
これはあくまで自分の個人的な憶測にすぎませんが、PVCで作成するメリット(肌色の美しい透明感や柔らかいため破損しにくい)が損なわれることと、髪先などとんがった部分でケガしやすくなってしまうため、玩具として販売する場合の安全性に問題が出てしまうといったことがあったのかなーと思っています。あとは単純にABSで自然な肌色成型をするのが難しかったとかですかね。
現在でも全身ABSというフィギュアはあるにはありますが、正直ほとんどないという事実がその考えを裏付けているかな、と。
(バンダイのプラモデルのフミナなどは全身硬質な素材ですが、あれはあくまでプラモデルなので、また別の安全基準なのかなと思っています。)
…しかし「こみっくパーティー 高瀬瑞希 夏服版 新造型」が発売されてから15年経過しているという事実のほうもびっくりしますが…いやあ、年取るわけですよね!(笑)